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特集「ここで差が出る!ハードウェア刷新の指南書 第1回:TCO削減に発揮するハードウェア投資

2010年1月12日

景気は緩やかな回復基調との声が聞かれるものの、依然として中堅中小企業を取り巻く経済状況は厳しく、IT投資も縮小傾向が続いている。特にサーバやストレージ、ビジネスPCなどのハードウェアへの投資を抑制している企業は多いのではないだろうか。こうした投資を抑えることで一時的なコスト削減は可能だが、長期的には、むしろTCOの増加を招くことにもなりかねない。また、低スペックの旧型ハードウェアをリプレースせずに使い続けることで、現場の業務効率および生産性を低下させてしまうというリスクもある。そこで本特集では、ハードウェアを刷新する目的やメリットをはじめ、ハードウェア投資を単に「抑制」するのではなく「最適化」するためのヒントを紹介していく。

-生産性の向上につながるハードウェア投資

「半導体の集積密度は1年半~2年で約2倍になる」というムーアの法則は2010年代に限界に達するとも言われているが、CPUの性能が驚異的なペースで進化してきたのは紛れもない事実。その恩恵を受けてサーバやビジネスPCの処理速度は年々向上し、低価格化も進んできた。もちろん、サーバやビジネスPCのパフォーマンスはCPUだけで決まるわけではないが、最新モデルは同価格帯の旧モデルに比べ、メモリやHDDの最大搭載容量、転送速度なども大幅にアップしている。

特に、5年以上前のシングルコアサーバを使用しているなら、最新のマルチコアサーバにリプレースすることで、10倍程度の性能向上が見られることも珍しくないだろう。これにより、ユーザ1人ひとりがサーバにアクセスしてファイルを開いたり保存する際の待ち時間が10分の1に短縮されれば、業務の大幅な効率化につながる。

機器の性能が向上しているのは、当然ながらサーバやビジネスPCだけではない。例えば、複合機の出力スピードなどはより高速になっており、最新の複合機を導入することで、ユーザが印刷にかける時間を短縮することができる。また、大容量・低価格なストレージの導入によって、処理速度の向上だけでなく「容量を気にせずにデータを保存できる」といった利便性をユーザに提供することも可能となる。
こうした複合的な効果により生産性の向上を図ることができれば、ハードウェアの刷新はその投資額を遥かに上回る価値を生み出すはずだ。

図1:ハードウェア投資により享受できる生産性の向上 図1:ハードウェア投資により享受できる生産性の向上

-省電力化とサーバ統合によりTCOを削減

コスト削減のために旧世代のサーバを使い続けている企業も少なくないが、長い目で見れば最新サーバにリプレースしたほうが、持続的なTCO削減につながる。
その一因として挙げられるのが、消費電力の違いである。昨今ではコスト削減のニーズはもちろん、環境への負荷を低減するグリーンITへの対応が社会的に求められていることもあり、IT機器の省電力化が必須の時代になってきた。

それに合わせ、ベンダ各社も低電力CPUや高効率な電源ユニットおよび排熱装置などを搭載した省電力型のサーバを多数ラインナップしている。一方、旧世代のサーバは低スペックながら多くの電力を消費してしまう。それらを最新の省電力サーバに置き換えるだけで、永続的にランニングコストを抑えることができるのだ。

さらに、最新サーバへのリプレースで削減できるのは消費電力だけではない。サーバの処理速度向上に伴い、これまで複数台の低スペックサーバで行っていた業務をハイスペックな最新サーバに集約する「サーバ統合」の動きが加速している。サーバ統合で稼働させるサーバ台数を減らすことができれば、それだけ運用管理の工数は低減されることになる。また、ハードウェア保守費も削減できるし、物理的な設置スペースも少なくて済む。

これらの運用コスト全体の削減効果に目を向ければ、サーバ導入時のイニシャルコストなども短期間で回収できることがわかるだろう。

図2:見えないところでコスト削減につながる最新サーバ 図2:見えないところでコスト削減につながる最新サーバ

-Windows 7や仮想化技術のメリットを享受するために

最新のソフトウェア技術を利用し、そのメリットを最大限に享受するためにも、ハードウェアの刷新が必要となる。中でもビジネスPCに関しては、昨年後半にリリースされた最新OS・Windows 7の導入とともにリプレースを検討している企業も多いのではないだろうか。すでに様々なメディアで報じられている通り、Windows 7はWindows VistaやXPに比べて、より多機能で使いやすいOSへと進化を遂げている。

しかし、その性能を十分に発揮させるためには、相応のマシンパワーが求められる。特に、Vistaを導入せずにXPを使い続けてきた企業ではWindows 7はマルチコアプロセッサに最適化されており、最新のハイスペックなビジネスPCと組み合わせることでより高い生産性を発揮できる。やはり、Windows 7の導入に合わせてビジネスPCも一新するのが得策と言えるだろう。

また、先述したサーバ統合のメリットをいっそう高めるソフトウェア技術として注目されているのが、1台の物理サーバ上で複数のOS(仮想マシン)を稼働させる「サーバ仮想化」だ。最近では仮想化に最適化されたモデルとして、仮想サーバの管理ツールなどをバンドルしたモデルも登場している。サーバ統合にあたっては仮想化を前提に考え、既存サーバから仮想化に最適なサーバへのリプレースも併せて検討することをオススメしたい。

-経費削減に有効なビデオ会議システムにも注目

サーバやストレージ、ビジネスPCといった定番のハードウェアのほかにも、有用なハードウェア製品は多い。その1つが、「ビデオ会議システム」だ。

複数拠点を持つ企業では拠点間での会議も多く、その出張経費や移動のための時間的コストの増大が課題となっている。とはいえ、特に多人数でのコミュニケーションが必要な場合、メールや電話だけでは十分な意思疎通を図ることが難しい。こうした課題を解決するコミュニケーションツールとして、ビデオ会議システムを導入する企業も増えつつある。

各拠点で会議室などにビデオ会議専用のハードウェアを設置することで、映像と音声による双方向のコミュニケーションが可能となり、遠隔拠点間でも移動することなく相手の顔を見ながら会議を行えるようになる。導入時のイニシャルコストや回線費用などのランニングコストは必要だが、導入後は出張による対面会議をビデオ会議に置き換えることで、長期的には大幅な経費削減が期待できる。また、移動時間の削減や意思決定の迅速化にもつながり、業務の効率化という観点でもメリットは大きい。

既存ハードウェアのリプレースだけでなく、このような新たなハードウェア製品の活用にも目を向けてみてはいかがだろうか。

図3:出張費の削減に貢献するビデオ会議ソリューショ 図3:出張費の削減に貢献するビデオ会議システム

-最小のハードウェア投資で最大の効果を!

TCO削減や生産性向上を実現する上でハードウェア投資が重要とはいえ、導入コストはできるだけ抑えたいところ。最小の投資で最大の効果を得るためにも、例年1~3月にかけて多くのベンダが実施する年度末セールや、新製品登場時のキャンペーン、社会的要因による値下げなどを賢く利用することをオススメしたい。

●円高差益還元
外資系ベンダでは、円高が進むとその差益分をユーザに還元する形で特別価格を設定したキャンペーンを展開することがある。そのようなキャンペーンを活用することで、ハードウェア製品を通常よりもリーズナブルに導入することが可能となる。

●アウトレット品
不況の影響もあり、ユーザ事情により購入をキャンセルされた製品をベンダがアウトレット品として安価に提供するケースが増えている。新品同様の未開封品も多く、ベンダが正規販売するアウトレット品であればほとんどの場合、通常製品と同じように保証やサポートも提供される。

●ソフトウェアバンドル商品
ハードウェアと周辺機器、ソフトウェアなどをセットにして個別購入より安価に提供するバンドルパッケージ商品も、自社にとって必要なセット内容であれば価格メリットは大きい。Windows 7の発売に合わせたビジネスPCの買い替えキャンペーン、仮想化ソフトウェアをバンドルしたストレージやサーバの特別割引キャンペーンなどがある。

●オプションサービス
ハードウェア購入時のオプションサービスとして、無料配送や導入後の無償サポート期間延長などのサービスを提供しているベンダがある。そのようなサービスをうまく活用することで、ハードウェア購入費以外のコストも最小限に抑えることができる。

特集「ここで差が出る!中堅中小企業のハードウェア刷新の指南書」

第1回 TCO削減に発揮するハードウェア投資
第2回 サーバ投資をいま一度考える
第3回 これからではなく、今考えるストレージの刷新
第4回 ビジネスPCのリプレースで日常業務に変化を
第5回 ビデオ会議システムで差をつける

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