2008年8月7日
出力機器の選定には、総合的なドキュメントソリューションの観点が求められる。ハードの性能の他に、各利用シーンにおいて、どのような導入メリットがあるのか。ベンダに直接インタビューすることで、そのソリューションの実情に迫る。
今回は、アクセシビリティ&ユーザビリティを追及した複合機「imagio MP C2800 SPF」の提供元である株式会社リコーに、製品の特長や販売戦略、サポート体制などについてうかがった。
- 「imagio MP C2800 SPF」の機能の特長について教えてください。
この機種は28枚/分の出力速度を持つデジタルフルカラー複合機で、社員数約300人以下の中小企業を主なターゲットとした製品です。ウォームアップタイムが29秒以下、そして、ファーストコピータイムがモノクロで5.0秒以下、カラーで8.0秒以下を実現し、カラーコピー機でもモノクロコピー機と大差ない出力効率を持っているのが特長です。
アクセシビリティ&ユーザビリティを重視し、高い操作性を追及しているのが「imagio MP C2800 SPF」です。大型8.5インチのカラーTFTタッチパネルを採用し、視認性と操作性に優れています。次々と別の画面が開いて操作を進めていくのではなく、基本的には1つの階層だけでわかりやすく操作できることも、この製品の定評があるところです。さらに、複雑な操作が苦手なお客様向けに、基本機能をシンプルにまとめ、一層大きく見やすい表示を行う「簡単画面」を用意し、ボタン1つで切り替わる仕組みになっています。
複合機の操作としてもうひとつわずらわしいと思われているのは、万一の紙詰まりやトナー交換などの処理です。紙の搬送経路が片側に集約されていることもこの製品の特長で、紙詰まりの処理を行うときには1ヶ所を操作するだけで、ほとんどの対処を完了することができます。また、わかりやすいアニメーションガイダンスを採用し、操作パネル上でカラーの図解によって誰にもわかりやすく段階的に説明されますので、それを見ながら効率よく処理を進めていくことができるようになっています。
- 出力機器のバリアフリー化への取り組みについて教えてください。
リコーでは、ユーザを選ばず、全ての人にお使いいただける製品の開発を目指しています。そのような取り組みは、他に先駆けてこれまで積極的に行ってまいりました。具体的には、2006年1月発売の前身機ではリコーが業界で初めて、カラーユニバーサルデザインの認証マークを取得しています。その後継機が本製品になります。
簡単画面では、文字を大きく表示することで、目が不自由な方でも見やすくしたり、また識別しやすい色の組み合わせを用いることで、色弱で色の識別が難しい方でも判別がつくように工夫しています。例えば、機器の状態を示すLEDランプについては、従来は同じ位置で赤・緑など色が変わることによって、エラーなどの状態を表示していたのですが、それでは色弱の方は判別しにくいという問題がありました。それに対して、本製品では状態によってランプのつく位置を変えるなど、誰にもわかりやすい設計にしています。このように、色に関して多くの人が使いやすいデザインは、カラーユニバーサルデザインと呼ばれます。
さらに、オプションのキャスターテーブルを組み合わせることにより、本体の高さを低く設置することが可能で、座ったままの操作ができるようになりますので、車椅子を使用されている方でも利用しやすい環境を作ることができます。
- 特長となるセキュリティ機能は何ですか?
電子データの管理もそうですが、今日では特に紙ベースでの書類管理が問題になっていますので、その部分の対策にも力を入れています。セキュリティでまず必要となる機能は、各ユーザの権限分けを行い、ユーザごとに使用できる出力機器の機能を制限するものです。これに対して、ユーザ認証の種類をいくつか持たせることで、オフィスのニーズに合わせて適切にご利用いただけるようにしています。また、オプションでICカードによる認証が可能で、例えば、社員証を機械にかざすと、その人がプリントアウトしようとしている文書だけが出力できるようになる、あるいはモノクロコピー機能のみを利用可能にする権限設定を容易に行うことができます。」
次に特長的であるのは、不正コピー抑止機能というもので、これはプリントアウトする書類に特殊な地紋を埋め込むことで、それをコピーしようとすると、不正コピーガードのモジュールを搭載した機械ではグレー一色となって内容が見えなくなり、そうでない機械でも「コピー禁止」などの文字が浮かび上がるようになっています。このようなセキュリティ機能は、これまではFAXなどには対応していませんでしたが、本製品ではFAX、スキャナにも対応しています。
また、FAX機能では誤送信が問題になりますが、誤送信を防ぐセキュリティ機能についても充実させています。1つは、宛先を繰り返し入力させる機能で、これは単純ではありますが、入力ミスによる誤送信を抑止するのには効果的です。そして、通常はワンタッチで相手先を選んでスタートボタンを押せば、そのままFAXが送信されるわけですが、必ず送信前に宛先の確認画面を表示する設定が可能です。このようなワンステップを踏むことで、人為的なミスを少なくします。あとは、同報送信を禁止することにより複数宛先の指定ミスを防止することが可能です。
データのセキュリティについても、これまで以上にセキュリティを強化しています。例えば、取り込んだデータを保存するドキュメントボックスや、個人情報の含まれるアドレス帳などが入ったハードディスクの情報を暗号化することで、PCやハードディスクが盗難にあったり、あるいは廃棄した場合でも、情報が守られるようにしています。
- 文書の電子化機能の特徴について教えてください。
スキャンした文書を共有フォルダに保存したり、Eメールの宛先に直接送信したり、データをダウンロードするためのURLを送信する、などの機能は従来からありますが、一番の特長はESA(Embedded Software Architecture)というアーキテクチャで、それにより、複合機と連動して各種アプリケーションを利用することができるようになります。
従来から取り組んでいた、Ridocソリューションは、複合機から入力したデータを文書管理サーバで管理し、文書をキャビネットではなく電子化して運用するものでした。しかし、本製品の対象である中小規模の企業ユーザ様では、なかなかサーバの管理・運用が難しいということもあり、いかに簡単に文書を電子化し、いかに効率よく文書を活用できるかというところにニーズが向いています。そこで、複合機と連動して手軽に利用できるアプリケーションが注目されています。
特に定評のあるアプリケーションとして、「カンタン文字認識」、「カンタン文書登録」があります。スキャンした画像ファイルを他の文書に加工、編集したい場合は「カンタン文字認識」が便利です。「カンタン文字認識」では、複合機の液晶パネル上に表示された専用画面を操作することで、スキャンした文書をさまざまなファイル形式へ容易に変換することができます。例えば、注文書のように表組みされた文書を、スキャンするだけですぐにExcelファイルに変換し、「マイドキュメント」フォルダに保存してくれます。Excelなどのファイルとして保存すれば、文字や枠情報を再利用することができますのでとても便利です。また、例えば、複数の名刺を一度にを読み込ませることで、氏名、社名などを自動的に認識し、ユーザリスト化する機能などもあります。
次に、文書を大量にスキャンして保存する場合など、文書を整理して保管するには「カンタン文書登録」便利です。通常は特定の保存フォルダを指定し、ファイル名が自動的につけられた上で保存されるわけですが、それでは後からファイル名を見ても、どのファイルがどのような内容であるのかがわからなくなり、ファイルを移動したりファイル名を変更するのにも手間がかかります。このような場合は「カンタン文書登録」が便利です。
液晶パネル上に表示された専用画面に、あらかじめ登録したフォルダの階層がエクスプローラのように表示されています。スキャンを行うごとに、ユーザが保管したいフォルダを選択するだけで効率よく保存先を分けることができます。同様に、ファイル名についても、あらかじめ「図面」、「仕様書」などといった書類の分類名を登録しておけば、例えばスキャンを行うときに、「~仕様書+書類番号」などと組み合わせを選択するだけで、管理しやすいファイル名で効率よく保存していくことができるわけです。
このようなESA上で稼動するアプリケーションは、他にもいくつかご提供しています。また、社内だけではなくサードベンダも開発を進めておりますので、これからも広がりを見せていくと思われます。
- ドキュメントソリューション「Operius」とはどのようなものですか?
Operiusを構成する要素はOperius Core、Operius Ware、Operius Expertの3つです。Operius Coreとは、ハードウェアである複合機を指し、このOperius Coreと連携するソフトウェアをOperius Wareと呼んでいます。先ほどご説明した「カンタン文字認識」や「カンタン文書登録」もOperius Wareのひとつです。そしてOperius Expertは、サポートとサービスの体制を指しています。
Operiusとは、複合機本体と、それと連携するソフトウェア、そしてそれを支えるサポートまで、オフィスの快適な環境を整備するために、リコーがご提供する一連のソリューション体系全体を意味しています。
- サポート体制について教えてください。
リコーグループの保守・サービス・修理については、その拠点やサポート人員の数で、業界トップクラスの体制を整えています。現在、拠点数は735箇所、サポート人員は7,000人以上で、エリアを細かく区切り、どこでもお電話をいただいたらただちにお伺いするという、全国均一のサービスを可能にしています。複合機は、故障したらすぐに修理しないとビジネスに支障をきたすものですから、サポートはスピードが重要です。このようなサポート&サービスの体制があるからこそ、安心して製品を使っていただけると考えています。
その他のサポートの特色として、ユーザの複合機とリコーのサービスセンターとをネットワークでつなぐことで、遠隔管理を可能にする「@Remote(アットリモート)」というサービスがあります。
機器の故障が起きる前にその兆候をキャッチし対処することで、機器の故障を未然に防いだり、また、故障時にはセンターに自動通報され、リコーからお客様にご連絡をし修復やカスタマーエンジニアの手配を行います。
この@Remoteのサービスはオプションではなく、通常の保守料金に含まれるものですので、特に中小企業のお客様は、このようなサービスをご利用いただくことによって保守面で安心いただけると思います。リコーでは「ダウンタイムゼロへの挑戦」ということを、お客様へのメッセージとして掲げています。@Remoteなどのシステムやサポート人員・拠点数の多さを活用することで、お客様のダウンタウンの時間を少しでも短くすることを心がけています。
- Bizma!読者へのメッセージ複合機の購入を考えている企業様へのメッセージをお願いいたします。
製品の特長のところでもお話ししましたが、本製品はスピーディーな起動と出力を実現しており、カラーコピー機でもモノクロコピー機と変わらない効率的な利用が可能となっています。従来は、カラーコピー機は出力に待たされるという不満があり、それであればモノクロコピー機を採用しようとするケースが多かったのですが、そのようなイメージを持たれている方は、この機会に是非ともカラーコピー機もご検討いただきたいと思います。
取材協力:株式会社リコー
特集「失敗しないドキュメントソリューション選びハンドブック」
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