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2008年5月19日
統合的なソリューションや低コストのサービスの登場により、中堅中小企業における通信サービスの市場動向は変化を見せはじめている。
第2回は、前回に引き続き、野村総合研究所の一瀬寛英氏に企業ネットワークにおける技術トレンドを探りながら、主要ベンダの戦略などについて伺った。
- 通信サービスについて、今後どのような展開が考えられますか?
IP-VPN、広域イーサネットに加え、低コストで手軽な通信サービスとして、中堅中小企業を中心に普及しはじめているインターネットVPNのほか、エントリーVPN、マネージドVPNについてお話をしたと思いますが、これらの通信サービスは、今後色々な展開が考えられると思います。
エントリーVPNは、エリアを絞り、ブロードバンド回線と専用ネットワークを組み合わせることで、さらにコストダウンを図れる通信サービスであるというお話をしましたが、このサービスは主にNTT東日本、NTT西日本が提供しています。しかし、ここで注意して頂きたいのは、エリアが絞られるとはいえ、東西に分けてしまえば、それぞれのエリア内では1つの通信事業グループが回線を管理して提供するサービスとなることです。つまり、東西のどちらかのエリア内だけで事業展開を行っている企業で利用する場合には、IP-VPNや広域イーサネットと同様に、信頼性の高い通信サービスとなりますので、インターネットVPNとは違い、支線だけでなく幹線としての利用もあり得るでしょう。今後はそのような使い方が多くなってくるのではないかと思います。
また、マネージドVPNはメンテナンスなどのサポートを含めた通信サービスですが、今後、例えばセキュリティ対策をセットにしたサービスなどが現れるのではないかと予想されます。総務省による平成18年度の通信利用動向調査で、「データセキュリティの対応状況」を参照すると、ウィルス対策などの基本的なセキュリティには対応していても、ファイアウォールやアクセス制限などの高度なセキュリティには、十分に対応ができていないのが現状であることがわかります。このようなセキュリティ対策が、マネージドVPNのオプションとして入ってくることが考えられます。手軽に導入できるサービスとして、中堅中小企業において需要が高いサービスとなります。
- 各プレーヤーの特徴や戦略について教えてください。
それぞれの通信サービスのシェアをみれば、IP-VPNのシェアトップはNTTコミュニケーションズで、広域イーサネットは、パワードコムを買収したこともあり、KDDIがシェアトップとなっています。
NTT東西のサービスは、「ベストエフォートですがインターネットVPNより信頼性の高いサービス」と言うことができます。広域イーサネットやIP-VPNを持っていないため、大きいエリアはカバーできませんので、狭いエリア、足回りの支線として多く用いられています。しかし、先ほどもお話しましたように、東西に分けてしまえば、その中では1つのグループで管理されたネットワークになりますので、「フレッツオフィスワイド」などのサービス形態で利用すれば、ある程度のエリアをカバーする信頼性の高い通信サービスとなります。そういう意味では、広いエリアでの利用ではNTTコミュニケーションズやKDDIなどが有利でも、狭いエリアでの利用ではNTT東西の方が有利となる可能性もあります。
このように、各プレーヤーは同じようなサービスのラインナップを揃えていても、それぞれのプレーヤーが持つ元々の資産に違いがあることで、シェアの違いが表われてきます。
さらに、アプリケーションという視点で考えたときには、また別のソリューションが考えられ、色々なプレーヤーが関係してくる可能性があります。例えば、テレビ会議システムをもう少し高精細のものにする、というようなことを考えた場合、アプリケーションの提供とコントロールをSIベンダやアプリケーションベンダが行い、ネットワークをNTT東西が担当するなどというソリューションもあり得るでしょう。サービスやアプリケーションの面では、日立製作所、NEC、沖電気工業、マイクロソフト、オラクルなどが参入してくることは、今後、十分に考えられます。
- 企業ネットワーク導入を考えるBizma!読者へメッセージをお願いいたします。
まず、業務内容に適した通信サービスを選ぶということが重要です。基幹業務やミッションクリティカルな用途で使用する幹線系については、信頼性の高い広域イーサネットかIP-VPNを選択し、情報系システムについてはインターネットVPNなどのベストエフォートのネットワークを利用するなどというように、通信サービスを上手く使い分けることが大切です。
次に、中堅中小企業におけるネットワーク導入では、これからはブロードバンドを使ったエントリーVPNなども選択肢として考えてよいのではないかと思います。ブロードバンド回線が日本中に行き渡りつつある今日、NTT東日本、NTT西日本が、それぞれのグループとして大きなネットワークを作れるようになっていますので、エントリーVPNは、状況によってインターネットVPNよりもプライオリティーの高い選択肢となってきているのではないかと思います。
また、最近では、モバイルなどに関連した新しい通信ツールが多く提供されています。これからは、業務の場所を外に広げていけるように、企業ネットワークも考えていくべきでしょう。中堅中小企業ではオフィスなどの制限もあり、そのような業務形態がマッチすることも多いと思います。是非、新しいツールにも目を向けてみてください。
取材協力:株式会社野村総合研究所
中堅中小企業向け最新企業ネットワーク導入バイブル
| 第1回 | メリハリをつけた企業の拠点間ネットワーク |
| 第2回 | どうなる!今後の企業ネットワークサービス |
| 第3回 | 主要ベンダのネットワークソリューション~インターネットVPN編~ |
| 第4回 | 企業ネットワークソリューション~IP-VPN編~ |
| 第5回 | 企業ネットワークソリューション~広域イーサネット編~ |
[中堅中小企業向け最新企業ネットワーク導入バイブル関連ページ]
- IP-VPN
- KDDI IP-VPNサービス (KDDI株式会社)
- ULTINA IP-VPN (ソフトバンクテレコム株式会社)
- インターネットVPN
- bit-drive (ソニー株式会社)
- ULTINAトマネージドVPN (ソフトバンクテレコム株式会社)
- インターネットVPNパッケージ (KDDI株式会社)
- 広域LAN
- Ether-MAN EX (KVH株式会社)
- IIJ広域ネットワークサービス (株式会社インターネットイニシアティブ)
- KDDI Powered Ethernet (KDDI株式会社)
- ULTINA Wide Ethernet (ソフトバンクテレコム株式会社)
- Barracuda Message Archiver(11/19 16:47)
- Barracuda Web Site Firewall(11/19 16:46)
- ホスティングサービス(11/18 19:44)







