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2008年5月13日
通信サービスの選択肢が広がっている昨今、企業ネットワークを導入している企業においても、その見直しが必要とされている。また、安価で手軽な通信サービスの登場により、これまで企業ネットワークの構築を控えていたSMBが、導入に踏み切るケースも増えてきた。
今回は、野村総合研究所の一瀬寛英氏に、企業ネットワークにおける通信サービスの種類とその特徴、そして市場動向などについてうかがった。
- 現在、企業ネットワークとして利用される通信サービスには、どのような種類がありますか?
企業ネットワークとして利用されている、主な通信サービスとしては、IP-VPN、広域イーサネット、そしてインターネットVPNがあります。
IP-VPNは、通信事業者が保有するIPネットワーク網を使用し、ルータを設置することでネットワークを構築するもので、90年代の終わり頃から使われ始めました。ルータ部分には、ソフトウェアを搭載できますので、オプションとしてソフトウェアの機能を利用しやすいというメリットがあります。
このIP-VPNに対して、機能を絞ることで安価なコストで通信サービスを提供するのが、広域イーサネットです。いわゆるイーサネットLANを基本とするもので、IPネットワークを利用しなくても、拠点間をつなぐだけで、IP-VPNよりも手軽に社内ネットワークを構築することができます。ソフトウェアの機能を利用し難いという面はありますが、IP-VPNと比べてメンテナンス費用を削減することができます。その構築・管理の手軽さから、次第に普及するようになりました。
このように、通信事業者が保有する閉域ネットワークによって通信網を構築するIP-VPNや広域イーサネットに対して、インターネット網を利用してさらにコスト面を重視した企業データ通信網を構築するサービスが、インターネットVPNです。オープンなインターネット上で、暗号通信によってセキュリティを確保しながら、企業WANを実現するものです。ブロードバンドの普及に伴って、2004年くらいから徐々に利用されるようになってきました。
- 企業ネットワークとして利用されている通信サービスの市場動向について教えてください。
全体でみれば、企業ネットワークとして利用されている通信サービスの利用率は、IP-VPN、広域イーサネット、インターネットVPNの順になっています。ここで、それぞれのサービスの利用状況の傾向をみるために、企業規模別の利用率を比較してみることにします。
総務省による平成18年度の通信利用動向調査のデータを参照してみると、例えば規模の大きな企業(従業者2,000人以上)では、広域イーサネット、IP-VPNの利用率が高く、インターネットVPNの割合は小さくなっています。それに対して、小規模の企業(従業者100~299人)では、広域イーサネット、IP-VPN、インターネットVPNの利用率にあまり差がありません。
つまり中堅中小企業においては、広域イーサネット、IP-VPNと並んで、インターネットVPNも既に普及している状態であるといえます。インターネットVPNの利用率が高まってきたという点では大企業も同様ですが、規模の大きな企業では拠点数が多くなりますので、場合によっては逆にコストがかかってしまうという可能性があります。
インターネットVPNは、拠点のあまり多くない小規模のネットワークでは構築・管理がしやすく、その分さらにコストを抑えられるというメリットがあります。また、ある程度の規模になれば、通信事業者がメンテナンスや障害対応なども含めてサービスを提供する「マネージドVPN」と呼ばれるものも登場し、ネットワーク管理を行う技術者が不足している企業でも、手軽に導入できるようになってきました。インターネットVPNは、中堅中小企業に合った通信サービスといえるでしょう。
- 幹線系と支線系とで、利用する通信サービスの違いはありますか?
総務省による平成17年度の通信利用動向調査には、幹線系で利用される通信サービスと、支線系で利用される通信サービスに関する調査結果があります。それによると、幹線系では広域イーサネットとIP-VPNが利用率の上位を占め、インターネットVPNは4位となっています。一方、支線系では、1位がIP-VPNで、2位にインターネットVPNが入り、広域イーサネットがそれに続いています。
広域イーサネットやIP-VPNは、通信事業者が保有するネットワークを利用したサービスですから、通信経路を全般的に管理しており帯域保障もあります。それに対してインターネットVPNでは、オープンなインターネット上でネットワークを構築しますので、ルータのメンテナンスは行いますが、通信経路についてはベストエフォート型のサービスとなります。
このようにサービスの品質に差がありますので、やはり幹線系のネットワークでは、信頼性の高いとされる広域イーサネットやIP-VPNが使われる傾向がありますが、逆に支線系では、信頼面には多少目を瞑って、インターネットVPNなどの安価なサービスを導入するというケースは増えているようです。
また、インターネットVPNに対抗して最近出てきたサービスとして、「エントリーVPN」があります。これはさらにエリアを絞ることで、もう一段コストを削減できるサービスで、例えばNTTのフレッツ網を足回りとし、そこからIP-VPNにつなげるといったようにブロードバンド回線と専用ネットワークを組み合わせて提供する通信サービスで、支線系を中心に利用されるようになってきました。
このように支線系の部分では、利用される通信サービスの種類は少しずつ変化してきています。
次回は、企業ネットワークにおける技術トレンドを探りながら、主要ベンダの戦略をお伝えします。
取材協力:株式会社野村総合研究所
中堅中小企業向け最新企業ネットワーク導入バイブル
| 第1回 | メリハリをつけた企業の拠点間ネットワーク |
| 第2回 | どうなる!今後の企業ネットワークサービス |
| 第3回 | 主要ベンダのネットワークソリューション~インターネットVPN編~ |
| 第4回 | 企業ネットワークソリューション~IP-VPN編~ |
| 第5回 | 企業ネットワークソリューション~広域イーサネット編~ |
[中堅中小企業向け最新企業ネットワーク導入バイブル関連ページ]
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- KDDI IP-VPNサービス (KDDI株式会社)
- ULTINA IP-VPN (ソフトバンクテレコム株式会社)
- インターネットVPN
- bit-drive (ソニー株式会社)
- ULTINAトマネージドVPN (ソフトバンクテレコム株式会社)
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- Ether-MAN EX (KVH株式会社)
- IIJ広域ネットワークサービス (株式会社インターネットイニシアティブ)
- KDDI Powered Ethernet (KDDI株式会社)
- ULTINA Wide Ethernet (ソフトバンクテレコム株式会社)
- Barracuda Message Archiver(11/19 16:47)
- Barracuda Web Site Firewall(11/19 16:46)
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