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特集「中堅中小企業の人事給与パッケージの選び方とは? 第1回:人事給与パッケージ利用シェアレポート」

2008年4月25日

新年度を迎えるにあたり、人事における評価、配置が行われる季節であり、また新たな業務体制などに関連して人事・給与システムを見直す時期でもある。中堅中小企業にとって、自社に適した人事・給与システムの選び方とは。
ノークリサーチの伊嶋謙二氏と河田裕司氏に、中堅中小企業向けの人事・給与システムの基礎と最新動向、そして導入にあたって考慮すべきポイントなどについてうかがった。

株式会社ノークリサーチ 伊嶋謙二氏、河田裕司氏- 「人事システム」、「給与システム」とは、どのようなものですか?

人事管理に関するシステムは汎用的で、企業によってそれほど大きく変わるものではありません。例えば社員について、誰が、いつ入社して、年齢はいくつで、部署はどこで、等級はなにで、勤怠の状況はどうで、役職手当はどうか、などといった情報を、適切に管理するシステムが人事システムだと思っていただければよいと思います。

また、それに各種保険や給与のデータが紐づけられることで、給与システムと連携するようになります。製品によっては、査定の基準まで設定できるものもあります。このような人事管理システムは、企業ごとの大きなカスタマイズは必要なく、パッケージにしやすいシステムであるといえるでしょう。実際パッケージ製品のシェアは高く、人事管理システム全体の92.4%を占めています。また、この人事・給与システムが、さらに社員が所属するプロジェクトや、財務、販売管理などと紐づいてくることで、ERPとして機能するようになります。そうなれば、その人の営業実績等々も含めて一元管理することができるようになるわけです。

人事・給与システムは、企業や業種などによる違いはほとんどないですが、会社の規模、つまり社員の人数による違いというのはあります。例えば社員が10人でしたら、わざわざシステムを入れる必要もないわけですが、50人、100人となればExcelなどで管理していくのは難しくなりますから、システムを導入する必要がでてきます。さらに、1000人を越えるようになると、また話は少し違ってきます。HRM(ヒューマン・リソース・マネジメント)などというものが関連し、人材を管理するだけではなく、雇用、スキルなどの概念を踏まえて人材戦略を考えていかなくてはならなくなります。

このように汎用性の高い人材管理の分野は、特にSMB向けではパッケージ製品の差別化が図りにくい分野だともいえます。実際、人材管理のアプリケーションパッケージを出している各ベンダは、混戦状態からなかなか抜け出せない状態です。

図1:給与管理・人事管理システムパッケージ比率

図1:給与管理・人事管理システムパッケージ比率

- 市場シェアについて、教えてください。

SMBを対象とした、人事管理パッケージの利用シェアを見ると、まずOBCの「人事奉行」がトップで21.1%、2位はカシオ計算機の「ADPS」が15.6%で、3位以下を大きく引き離している状態です。評価では、4位のアイテックスの「PRO_STAFF-α人事」が最も高くなっています。

導入予定シェアでは、OBCの「人事奉行」が圧倒的に強く31.2%を占めており、次に大塚商会の「SMILEα人事管理」が17.4%で続き、カシオ計算機の「ADPS」が3位になっています。

図2:人事管理パッケージシェアと評価

図2:人事管理パッケージシェアと評価

図3:人事管理システムパッケージ利用予定シェア

図3:人事管理システムパッケージ利用予定シェア

次に給与管理パッケージの利用シェアを見ると、こちらもトップはOBCで「給与奉行」が29.9%のシェアを占め、2位以下を大きく引き離しています。2位はPCAの「PCA給与」で10.7%、3位が弥生の「弥生給与」で10.6%のシェアとなっています。

導入予定シェアでは、やはりトップはOBCの「給与奉行」で36.2%と、2位以下を圧倒しています。2位がPCAの「PCA給与」で11.2%、3位が弥生の「弥生給与」で9.7%となっています。

図4:給与管理パッケージシェアと評価

図4:給与管理パッケージシェアと評価

図5:給与管理システムパッケージ利用予定シェア

図5:給与管理システムパッケージ利用予定シェア

- ベンダ各社の戦略について教えてください。

OBCはやはり「勘定奉行」のブランド力が大きいといえます。「勘定奉行」を導入した流れで「人事奉行」も購入する、という相乗効果でシェアを伸ばしています。中堅中小企業をターゲットとしたERPの市場では、大塚商会の「SMILEαシリーズ」がトップになってきており、単体のアプリケーションではOBCがトップのシェアとなっています。

大塚商会とOBCは、販売方法の面でも戦略が異なっています。基本的には大塚商会は直販で販売を行っていますので、「たのめーる」やコピー機などのオフィス用品でサポートを行いながら、基幹系のアプリケーションを販売するという方法をとっています。それに対してOBCは100%間接販売で、全国のパートナーが販売を行っていきますので、そういう意味ではユーザ層も異なってくるかと思います。もう1つOBCの強みを言えば、富士通やNECなどでエントリーのサーバを販売するときに、パッケージをバンドルするというやり方をしています。

カシオ計算機は人事管理の分野では歴史があり、これまでの実績から大企業向けの強みを持っています。実はカシオ計算機だけが、UNIX時代から独自に人事管理のシステムを開発していまして、それを外販することからはじめて、地道に実績を重ねていき、人事ならカシオというように「ADPS」のブランドを根付かせていったわけです。

人事管理システムを単体で販売していますが、他とアライアンスを組むという戦略をとっています。例えば、他のモジュールは富士通の製品で、人事管理だけは「ADPS」という購入の仕方もあり得るわけです。カシオ計算機は専業で長い実績があるので、機能的にはかなり作り込んでいるはずです。確かなシステムを導入しようと考えている企業に向いている製品かと思います。

- 人事・給与システム導入のポイントなど、Bizma!読者へメッセージをお願いいたします。

まずは、人事給与の管理を行う規模を見定めることでしょう。現状で管理する人数も考えなければなりませんが、むしろ今後どういう変化をしていくかということが重要だと思います。戦略として、これから自社がどれだけ規模を拡大していくか、また、正社員だけでなく派遣やアルバイトなど非正規社員も一元管理する必要があるのかまで考え合わせて、最終的に年間で人事にどのくらいのコストが必要なのかということを見定めるべきです。

あと、きちんとサポートしてもらえる販売店があるかどうか、インターフェイスが1台のパソコンでよいのか、それともWebで何人かで入力する必要があるのかも考える必要があるでしょう。こういったことが大切で、何が売れているかということで選ぶべきではないと思います。例えば極端な言い方をすれば、アプリケーションは必要ないというのも1つの選択肢だと思います。

また、最近の話題としては、派遣の方が増えて、直行、直帰、出向などの管理が必要となったため、携帯電話でそのような管理ができないかというニーズもでてきました。そのような自社の勤怠管理にあった機能を備えているかどうかということも、システム選びの際のポイントになるでしょう。

取材協力:株式会社ノークリサーチ

中堅中小企業の人事給与パッケージの選び方とは?

第1回 人事給与パッケージ利用シェアレポート
第2回 人事給与パッケージ主要製品ピックアップ~人事編~
第3回 人事給与パッケージ主要製品ピックアップ!~給与編~

[中堅中小企業の人事給与パッケージの選び方とは?関連ページ]

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