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Linuxサーバの時代のスタンダード、HAクラスタ最新事情 第3回:ソリューション最前線~日本電気株式会社~

2008年3月10日

-「CLUSTERPRO X」の特徴をお願いします。

まず販売状況から見たとき、現状でシェアNo1を維持している理由の、我々なりの見解としまして次の点を挙げさせて頂いております。

ひとつ目は、息の長いソフトウェアプロダクトであるということです。販売開始からもうすぐ12年で、その間ずっと開発チームも解散することなく、Ver.1.0から8.0まで着実にバージョンアップを重ねて参りました。2006年に10周年を迎え、そこで「次世代クラスタソフト」を名乗る意味で名称を改め、バージョンを1.0へ戻し、それが現在の最新版となっています。HAクラスタ製品はその時々の革新的な技術よりも、むしろ信頼性や実績が重要視される製品です。息が長いということが、一つ安心頂いている点ではないかと考えます。

2つ目に、国内で開発およびサポートを行っている製品のため、万一の障害時の対応が安心できるということがあります。緊急時の問合せで、海外の開発チームへ連絡するということでは対応に不安があります。HAクラスタは、私どもに限らず国内製品が比較的強い分野のミドルウェアだと思います。

3つ目として、可能な限りハードウェアの依存性を排除した設計になっており、原則として標準のアーキテクチャに基づいたIAサーバ、およびクラスタ環境に使うことが許されている共有ストレージであれば、CLUSTERPROは利用できる、というスタンスが評価を頂いていると思っています。

最後にCLUSTERPROは国内外のパートナーとの連携を大変重視した製品になっています。特にクラスタソフトはHWに近い層のミドルウェアということもあり、3つめの特徴のようにHW依存が極力ない、とはいっても検証有無や実績を気にされるお客様もいらっしゃいます。そういったお客様のためにCLUSTERPROでは多くのHW/SWベンダと連携し、随時検証情報や組み合わせノウハウなどを公開していっています。

続いて、機能としての特徴についてお話します。
ひとつ目に、最大32ノードまでHAクラスタ構成を拡大できることと、柔軟なディスク構成をサポートしている点です。ディスク構成の部分は、我々なりの強みがあるところです。通常は、共有ディスク構成という形で、互いのサーバから物理的に接続されているひとつのディスクのデータについて、単にパスだけ(AサーバかBサーバか)を切り替える方法ですが、我々の製品では、共有ディスクを外付けで用意せずとも、A・B互いのサーバのローカルにあるディスクについてミラーリングを行ってクラスタ構成を組むこともできますし、あるいファイバーチャネル3やSCSI4といった新たなインフラを用意せずとも、NAS5を使ったストレージを使ってデータをプールすることもできます。

3:ファイバーチャネル
コンピュータと周辺機器を結ぶためのデータ転送方式のひとつ。
主に、高い性能が必要なサーバで、コンピュータ本体と外部記憶装置を接続するのに利用されている
4:SCSI
Small Computer System Interface。スカジー。PC本体と周辺機器の接続方法の取り決め。
5:NAS
Network Attached Storage。ナス。ネットワークに直接接続して使用するファイルサーバ専用機。

2つ目は、構築フェーズと運用フェーズで使用するツールを分けている点です。HAクラスタでは、一度その構成を作ってしまえば、後はそれほど頻繁に設定を変える類のものではありません。ツールを分けることで、各ツールをシンプルで使いやすくしています。また構築ツールは、CLUSTERPRO Xがインストールされていなくても単独で使用できます。そのため、クライアントマシンでクラスタの設定を作ることが可能であり、その設定ファイルをCLUSTERPRO Xのインストールされたサーバに反映させるだけでクラスタとして動き出せる仕組みとなっています。例えば東京のSEが設定を行ったファイルを、実際に構築を行うサーバがある九州へ送り、ファイルを展開してクラスタを組む、などということが可能です。店舗展開などで、同様のクラスタ構成を各店舗で行うときなどにも便利です。

3つ目は、Windows、Linux問わず複数のクラスタを一括で管理できるビューアが用意されていることです。最近では一つのシステムの中に、WindowsサーバもLinuxサーバもあり、それぞれのクラスタが動いているという状況も少なくありません。そのような場合、全てのクラスタを一括管理できるビューアを用いることで管理を効率化できます。また、障害時の通知を一覧で見られると同時に、設定したメールアドレス宛に飛ばすことも可能です。さらに、ネットワーク警告灯と呼ばれるHWと連動して、障害発生時には、その色で異常を視覚的に確認することも可能です。そしてビューア上の操作だけで、接続されている全てのサーバから障害の原因を調べるためのログを集められるようになっています。

図:複数クラスタを一括管理できるビューア

-現在取り組んでおられる新技術や今後実装予定の機能などはありますか。

今春リリースされます、次バージョンの製品から実装予定の主な機能として、ディザスタリカバリに関する機能と、仮想化への対応があります。

ディザスタリカバリについては、例えば東京と大阪など離れた拠点間でクラスタ構成を組む場合、各拠点にサーバを置いて同期させます。ここでもし東京のサーバが災害で業務継続不可能な状態となった場合は、もちろんフェイルオーバしても構わないのですが、電源に足を引っ掛けてしまったとか、ディスクが1つだけ故障してしまったなどのレベルであれば、わざわざ大阪までフェイルオーバして欲しくないという場面があります。

その場合、東京のサーバ内でもクラスタを組んでおき、小規模な障害には東京の中だけで対応し、東京のサーバ構成全体が動作不能な状況に陥った場合に、はじめて大阪へフェイルオーバしたい、というご要望があり、次バージョンではその対応を考えています。共有ディスククラスタでは、両方のサーバで共通した共有ディスクにデータを書き込みシェアする関係でしたが、その共有ディスクの中身をミラーリング機能によって、別のところに配置できるようになります。サーバの小規模な障害であれば、現用系(通常使用している)サイト内でフェイルオーバをしますが、これがまるまる使えなくなってしまう事態では、共有ストレージのデータを待機しているサイトへバックアップしてありますので、いざというときはそちらで業務継続も図れるようになります。

図:ローカルサイトでもクラスタを組みつつ、遠隔地に待機系を配置可能に

もう一つは仮想環境への対応です。現在VMware、Xenといった仮想化技術が使われ始めています。仮想化の目的の一つとして、運用コスト削減のために運用サーバを集約したいということがあります。例えば、散在する100台のサーバを10台ずつまとめ、計10台のVMwareサーバとして使用することなどが考えられます。そうなると、集約した分1台のサーバに障害が発生すれば10台分の仮想OSが機能しなくなってしまいます。そうなると一大事ですので、サーバを追加してクラスタ構成をとり、サーバダウンの際にゲストOS(仮想マシン上で動作するOS)をフェイルオーバして業務を継続できるようにすることができます。

-HAクラスタの活用法や、導入の利点などを含め、読者にメッセージをお願いします。

昨今では、サーバダウンが企業の信用に関わる場面が多くあります。HAクラスタの構成をとることは一種の予防接種のようなもので、それに必要なコストは、その企業のブランド失墜に伴って生じる費用に比べれば、かなり安く済むと言えるでしょう。

ここで、HAクラスタのコスト面の誤解を解いておきたいのですが、可用性向上のために、その倍のサーバ資源が必要であり、さらに共有ディスクも必要になるのかと、費用的にしり込みをされることがありますが、しかしHAクラスタ構成というのは柔軟で、例えば2台構成でクラスタを組んだ場合は、確かに倍のサーバが必要ですが、現実には企業のシステムが一つのサーバで完結していることは少なく、データベースサーバがあり、その上にアプリケーションサーバがあり、さらにWebサーバがある、という階層構造になっているのが一般的です。そのような場合、追加で待機系となるサーバを1台だけ用意し、何かあったときに引き継げる構成とすることで、サーバの利用効率をかなり高めることができるのです。

さらに最近では、NGN(次世代ネットワーク)というキーワードが取りざたされています。このような新しいネットワーク基盤ができた際に、ネットワーク自体は信頼性が高くて、認証もしっかりしているという状況であっても、そのサービス提供側のセキュリティが不十分であったり、システムの可用性が低かったり、という状況では折角のNGNのメリットが活かせません。新しいネットワーク基盤をお使いになるようなときに、クラスタで可用性を高め、セキュリティを整備して脅威から守る仕組みは、今後当然のこととして考えていかなくてはいけないのではないでしょうか。

取材協力:日本電気株式会社

特集「Linuxサーバの時代のスタンダード、HAクラスタ最新情報」

第1回 10分でわかるHAクラスタの基礎講座
第2回 3つの最新技術トレンド
第3回 ソリューション最前線~日本電気株式会社
第4回 ソリューション最前線~サイオステクノロジー株式会社

[Linuxサーバ時代のスタンダード、HAクラスタ最新事情関連ページ]


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