2008年3月10日
戦略、展望、最新情報などのネイキッドな情報を、ベンダに直接インタビュー。製品に込められた思いや、それに関わる人の声を聞くことで、スペックだけじゃわからないソリューションの本質が見えるかもしれない。今回は、HAクラスタ分野で高い実績と信頼を誇る「CLUSTERPRO」の提供元、日本電気に話を伺った。
- HAクラスタの分野でかなりのシェアを獲得しておられますが、やはり早い段階からLinux/Windowsサーバが伸びてくると予見していたのでしょうか。また、その理由などをお聞かせ下さい。
「CLUSTERPRO」という製品を世に出させて頂いたのは1996年、最初はWindows版のみの販売でした。現在Windowsサーバの可用性向上のために、OSにバンドルされているMicrosoft Cluster Serviceなどが使われますが、当時はWindowsサーバ向けのHAクラスタリングソフトウェアというのは、まだほとんど存在していない状況でした。その中で「我々が求める可用性レベルを確保するには自社でクラスタ製品を作る以外にない」という結論から、開発を始めました。
そして販売開始から4年程経った2000年くらいから、Linuxサーバが世に認知され始めました。その時期で、我々もいち早くLinuxサーバへの対応を表明しています。せっかく、それまでの4年間、お客様からも製品に対するフィードバックを頂き、ソフトウェアとしての完成度も高まっておりましたので、それを活かして、NECというハードウェアにとらわれない形で、広くIAサーバ※1の市場へ打って出ようという戦略で、開発および販売を続けて参りました。特にLinuxへの対応は早かったと思います。ある程度LinuxというOS自体が伸びてゆくことも予測していましたし、またそれが基幹業務で使われるようになったときには、必ず信頼性を要求されるだろうという読みがあったからです。
※1:IAサーバ
Intel社のマイクロプロセッサを搭載したサーバ
そして、Linuxのディストリビュータに、高可用性OSとして製品の販売を打診させて頂きまして、現在も「Turbolinux Cluster HA」や「MIRACLE CLUSTERPRO」などの製品を販売して頂いております。

-機能的には「フェイルオーバ」や「ディザスタリカバリ」に注目が集まっていますが、HAクラスタの真骨頂は、やはり高い可用性を得られる点にあるのでしょうか。ご意見をお聞かせ下さい。
案件として多いのは、やはり通常のHA構成です。昔から変わらずデータベースがダウンすることを気にされるケースが多いのですが、最近ではWebを使ったサービスにおいて、お客様との接点となっているサーバのダウンについては、金銭的理由のみならず、その会社の信用まで傷つけてしまうという事情もあり、冗長性をとったシステム構成にしたいという要望が増しています。
特に企業ブランドが大きい程、サーバ障害に対して神経質になる傾向もありますが、同時にWebサイト上でのビジネス展開がメインで、システムダウンによって売り上げが止まってしまうような場合には、会社規模にかかわらず、クラスタ構成のために投資をされています。また、最近ではグループウェアなどの社内システムについても、それが止まることで業務が滞ってしまうため、サーバの冗長性をとりたいという案件は増えてきました。
ここで、どうして可用性を高めるのにHAクラスタであるのか、ということについてなのですが、他にもサーバの可用性を高める方法として、例えばRAID構成※2でディスクの故障に備えるとか、電源を多重化して電源障害に備えるという手法もあります。しかし、それでは電源・ディスクが壊れたときには何とかなりますが、CPUが壊れたとき、OSがストールしたとき、あるいは業務アプリケーションが落ちてしまったときなどには、手の出しようがありません。サーバを多重化する方法では、せいぜいハードウェアレベルまでしか解決できないということになります。
※2:RAID構成
Redundant Arrays of Inexpensive (もしくはIndependent) Disks。レイド。
複数代のハードディスクを組み合わせ、仮想的に1台のハードディスクとして運用させる技術
しかしHAクラスタのように、あらかじめハードウェアを別途用意し、それぞれのマシンのOSが常に動いている状態で、互いに見張りあうという関係であれば、OS、ハードウェア、アプリケーション等に、どのような異常があろうともそれを検出し、もう一つのサーバへ引き継ぐという行為ができるのです。やはり障害カバー範囲は、HAクラスタが一番広いと言えます。








