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SaaS World / Tokyo 2008(12/10~12/11)
2008年2月25日
前編で、その意外な成長率と需要が明らかになったHAクラスタ市場の最新動向。後編では、市場の将来と最新のテクノロジーについて、引き続きIDC Japanの入谷光浩氏にお話を伺った。また、市場のハイライトも掲載しているので、要点のみまとめて知りたい人もぜひ。
1、HAクラスタ市場の将来
-HAクラスタについて、今後の市場予測をお聞かせ下さい。
だいたい2011年までの年平均成長率を15.5%と予測しています。2007年の数値はまだ確定はしていないのですが、結構伸びているようです。製品のニーズはまだまだ高く、これからも高い成長率を維持し続けるでしょう。特に、大手企業でJ-SOX法が施行されてくると、システムダウンがますますシビアに考えられるようになり、また、これからクラスタはソリューションが多様化していくことが考えられるため、それにともなってニーズも高まることが予想されます。HA化は今後、より強化されていく方向に向かうと思います。

2、トレンドおよびベンダの戦略
-これからのトレンド、ベンダの戦略などについて教えてください。
今後ポイントとなるのは、まず多ノード構成のクラスタが増えてきたということです。これまでは、1対1のフェイルオーバーがメインで、今もそれは大きな市場なのですが、1対N、N対Mという、より柔軟なクラスタのソリューションが増えつつあります。同じ業務でもいくつものサーバがあるという状況では、ひとつの業務でも、4つ、5つのサーバをクラスタ化しなければならないわけで、そのような多ノード構成が非常に増えてきています。
次に、クラスタでディザスタ・リカバリを行うものです。大規模ストレージでディザスタ・リカバリを行うとかなり高コストとなりますので、遠隔地との間でクラスタ化を行うことでディザスタ・リカバリを実現するソリューションを、現在、各ベンダが注力しています。本来、地震などの災害時を考えれば、東京・沖縄間など、遠隔地間で行うのが効果的ですが、大体30キロくらいのデータセンターで、短中距離のクラスタを行うというソリューションが、特に中堅企業のニーズとして高いようです。自社以外でデータセンターを持つという認識はあるのですが、実際に遠隔地となると太い回線が必要となったり、いざと言うときに利便性が悪いということもあったりと、中堅企業を中心に、クラスタによる短中距離のディザスタ・リカバリのニーズが高まっています。
また、遠隔地のディザスタ・リカバリ※1も、これからどんどん立ち上がってくると思われますが、遠隔地と同時に、そのちょうど真ん中でも中距離のディザスタ・リカバリを行うという手法も行われるようになっています。これは、フルのバックアップは遠隔地で行い、本当に必要なデータだけをその中距離に置くというものです。実際問題として、復旧の際にデータが遠隔地にあると大変だということもあって、大事なものは中距離の拠点ですぐに復旧を行うという考えです。
※1:ディザスタ・リカバリ
自然災害などで被害を受けたシステムを復旧・修復すること。また、そのための備えとなる機器やシステム、体制のこと。
そして、ポイントとなる3つ目のソリューションは、仮想化とクラスタ化の組み合わせです。特にVMware※2の仮想化、というのが結構ニーズがありまして、VMHAというHA化を行うソフトが入っているのですが、それ自体は自動でバックアップを行わないため、ISV※3のクラスタをVMwareに入れて、VMwareとクラスタソフトを組み合わせてクラスタ化を行うソリューションも出始めています。つまり、仮想化で、実質のサーバ費を抑えつつ、クラスタ化を行うソリューションですね。
※2:VMware
Windows/Linux上で動作する、PC/AT互換機エミュレータ。UNIX互換OS上でWindowsを動作させたり、その逆の動作を行なったりすることができる。
※3:ISV(Independent Software Vendor)
独立系ソフトウェアベンダ。ある特定のハードウェア・OSベンダと特別な関係にないアプリケーション提供企業を指す。
以上の様に、「多ノード構成」「ディザスタ・リカバリ」「仮想化とクラスタ化の組み合わせ」の3つが、今後のHAクラスタに関するソリューションの大きなポイントになってくると考えています。
- 2005年はLinux向けが大きく成長し市場を牽引。金融では数百台規模の大型案件も見られた。
- 2006年は2005年ほどの伸びはないものの2ケタ成長を維持し、堅調に推移している。
- Unix向けは鈍化、LinuxとWindowsにシフトしている。
- 2006年のシェアトップはNEC。他社に先駆けてパートナービジネスを拡大した結果が表れた。
- 2006年~2011年のCAGR※は15.5%。今後も高い水準での成長は続く。
※CAGR:年平均成長率 - 1:1のフェイルオーバから、多ノード構成への拡大。ディザスタ・リカバリや仮想環境クラスタなど、新しいソリューションへの展開が求められる。
3、Bizma! 読者へのメッセージ
-HAクラスタ購入を検討中の、ユーザ企業のご担当の方へ、メッセージをお願いします。
現在、非常に低コストで、手軽にクラスタ化できる環境となっていますので、これまでと違ってクラスタの敷居がだいぶ低くなっています。今Linux向けは、もう20~30万くらいですから、クラスタはかなり作りやすい環境であり、そういう意味では、中堅中小企業で導入がしやすくなっていると思います。特に中堅中小企業では、導入のしやすさ、管理のしやすさに主眼におくケースが多いですが、最近はソフト自体も扱いやすく、実際に導入しやすくなっていると言えます。
また、企業規模に限らず、システムのダウンというリスクは、どのような場合でも変わらないわけです。システムの規模が大きくないから、対策は必要ないという話ではないですし、むしろ規模が小さい企業ほど、ダメージは大きくなるはずなのです。今まで、クラスタといえば大手、というイメージもありましたが、使いやすくて身近なものになった今、中堅クラスの企業もどんどん、導入されてはと思います。
特集「Linuxサーバ時代のスタンダード、HAクラスタ最新事情」
| 第1回 | 10分でわかるHAクラスタの基礎講座 |
| 第2回 | 3つの最新技術トレンド |
| 第3回 | ソリューション最前線~日本電気株式会社~ |
| 第4回 | ソリューション最前線~サイオステクノロジー株式会社~ |
[Linuxサーバ時代のスタンダード、HAクラスタ最新事情関連ページ]
- HAクラスタ
- LifeKeeper (サイオステクノロジー株式会社)
- CLUSTERPRO X (日本電気株式会社)
- Barracuda Message Archiver(11/19 16:47)
- Barracuda Web Site Firewall(11/19 16:46)
- ホスティングサービス(11/18 19:44)




