2008年2月1日
-今、ユーザが期待している機能はどのようなものでしょう。
BIのユーザは、機能はむしろあり過ぎて使いこなせないというのが現状ですが、ここ最近注目されているものとして、検索機能を持たせることによって、構造化されているデータベース上のデータだけではなく、いわゆる非構造化データと呼ばれるものについても分析の対象に加えようという動きがあります。例えば、ある商品の売り上げについて分析を行うとき、"各店舗においてどれだけ売れているか"というような通常の分析に加えて"ネット上での評判はどうであるか"ということも含めて分析を行うものです。実際に普及する可能性があるのはこれからですが、このような観点での検索エンジンがBIに搭載される動きがあります。
-ズバリ、2008年の技術動向をお聞かせ下さい。
ひとつには、現在マイクロソフトがかなり攻勢に出てきていますので、今後もかなりBI市場をかき回す存在になるのではないかと思っています。それから、マイクロソフトの他、オラクルやIBMなどもそうですが、データベース製品とセットでBI機能を提供するというのが、ひとつの大きな流れになってきています。結局ユーザとしてもBIツールだけを考えるのではなく、現在どのようなデータベースを使っているのかというところからBI導入を考えていかないと、うまくいかない可能性があります。なるべくデータベースと相性の良い、フロントエンドのツールを使うのが良いですから。
そういった意味では、ERPなどにBIの機能を付与する方がシンプルと言えます。このような方向性は、多くのベンダが狙ってきているところです。ERPの導入も一巡してきましたので、今度はユーザとしてはERPの中のデータをいかに有効活用するか、という視点に変わってくるだろうとベンダ側は見ており、自分たちのERPユーザに対してBIの商談を持ちかけるケースが増えています。オラクルやSAPなどが、その顕著な例と言えるでしょう。
このところ、BIを巡ってベンダの買収が盛んに行われていますが、それによって単体の機能よりも、集約されたソリューションとしてBIが提供されることが多くなってきています。しかし、これによってBI市場が停滞してしまうとは考えておりません。むしろ、市場が伸びる兆候だと思っています。実際、情報システムの導入意向調査においても、BIに対する導入意向は他の製品に比べて高くなっています。
また、SMB向けの製品については、現状では大手ベンダではなく中小向け製品を専門に扱うベンダの方が、導入しやすいと言えます。どうしても大手のベンダであると、大企業向けの製品がベースになっていますので、それがSMBにフィットするかと言えば難しい面が多いからです。これからは価格の問題だけではなく、もう少し単機能化するなど、使いやすさを考慮したものでないと、恐らくなかなか活用されないのではないかと思われます。ユーザのニーズとしては、機能の豊富さよりも使いやすさが常に上位にきています。特にSMB向けではユーザビリティが重要で、最終的にはそこに行き着くのではないでしょうか。
-SMBがBIツールを導入する上での注意点やアドバイスはありますか。
大企業に適した製品がSMBにとって必ずしも良いとは限りません。単純にマーケットシェアだけで考えると大企業向け製品が多いので、安易に製品を選ぶのはよくないでしょう。そのような製品を導入するためには高性能のサーバが必要になり、結果的に高コストになる可能性があります。また、データベースから新たに導入するとそれなりのコストがかかりますので、現在使用しているデータベースやシステムを活かす方向で、BI機能の導入を考えるのもよいでしょう。SaaS型のサービスを利用するのもひとつの方法だと思います。ITソリューション業界全体のトレンドでもあるSaaSですが、コストや不要な機能を抑えられるという点で、間違いなくSMB市場におけるIT導入の追い風になるでしょう。
BIは効果的に使われないと意味がないツールですので、先ほどもお話ししましたように、製品のユーザビリティは大きな要素だと思います。ユーザが使えるものを導入する、ということがまず重要です。それから、企業においてExcelで売り上げ管理などを行っているケースが多いと思いますので、Excelデータを取り込めたり、吐き出せたりなど、Excelなどの使いなれたツールとの連動が可能なBIを導入すると活用しやすいでしょう。また、ケースによってはExcelで十分ということもありえますので、BIに特化した製品に飛びつく必要は必ずしもなく、利用環境に合ったソリューションを考えていくべきだと思います。
-最後に、Bizma!読者へメッセージをお願いいたします。
企業の競争力を強化するうえで、BIというのは非常に有効なツールだと思います。きちんと活用すればとても意味のあるツールなのですが、実際は十分に活用されている企業が少ないのが現状です。
BIを導入する前に、本当にそれが自社のエンドユーザが使いこなせるものであるのか、ということをあらかじめよく考えなければなりません。具体的にどのような目的で利用したいのか、どれくらいの人数で使用するのか、そして、どれだけのデータ量を扱うのかなどいったことを事前に確認する必要があります。そうでないと、自社の企業規模・環境にあわない製品を購入してしまうことにもなりかねません。また、そもそもBIシステムを導入できるインフラがあるかどうか、ということも重要です。充分なインフラがない状態で導入してもパフォーマンスが悪くて使いづらく、やがて誰も利用しなくなるということも考えられます。
そして、アクセス権限の問題も考えておかなければなりません。当然、誰でも直接データにアクセスできるという状態は危険ですから、BI導入の際には同時にアクセス権限の管理も行う必要があります。そのためには、アクセス権限を適切に管理するためのディレクトリサーバなどが、用意されていないと管理が難しくなりますので、注意する必要があるでしょう。
以上のように、BIの受け入れ体制が人の側面とインフラの側面できちんと整っているかということを事前に確認し、BIをぜひ有効に活用して下さい。
Bizma!編集部
特集「企業力アップのカギ、BI導入を成功させる」
| 第1回 | 今から間に合う最新BI入門(前編) |
| 第2回 | 今から間に合う最新BI入門(後編) |
| 第3回 | 次世代BIでビジネスが変わる |
| 第4回 | SMBに最適なBIはコレだ! |
| 第5回 | 機能で勝負、注目のBI製品 |
[企業力アップのカギ、BI導入を成功させる関連ページ]
- BI
- BusinessObjects XI Release 2 (日本ビジネスオブジェクツ株式会社)
- Cognos 8 Business Intelligence (コグノス株式会社)
- Dr.Sum EA (ウイングアーク テクノロジーズ株式会社)
- Oracle Business Intelligence Standard Edition One (日本オラクル株式会社)
- SAS Enterprise BI Server (SAS Institute Japan株式会社)
- Sybase IQ (サイベース株式会社)







